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天然のオリゴ糖 ラフィノースとは?
ラフィノースはビート(砂糖大根)から分離精製して得られる天然のオリゴ糖です。
植物界に広く存在しており、ビート、ユーカリ樹液、大豆等に比較的多く含まれています。

ラフィノースは、ビート糖の副産物であるビート糖蜜からクロマトグラフ法によって取り出され、生成結晶化して得られます。化学構造式は右図の通りです。D-ガラクトース、D-グルコースおよびD-フラクトース各1分子から構成され、ショ糖にガラクトースが結合した形の三糖類です。
数あるオリゴ糖のなかで、全く吸湿性がない唯一のオリゴ糖です。

ラフィノースの特徴
ラフィノースは北海道の大地で丹精込めて育てられたビート(甜菜)から抽出・精製された世界で唯一の高純度結晶オリゴ糖です。秋の収穫時期になり気温が低くなるとビート自身が凍結を防ぐために細胞内にラフィノースを蓄え始めます。厳しい自然環境の中で生まれた不思議なオリゴ糖です。
(1)ビフィズス菌増殖効果
ラフィノースは胃や小腸で消化酵素によって消化吸収されることなく、大腸に達します。大腸に達したラフィノースは腸内の善玉菌であるビフィズス菌の増殖源となり、悪玉菌といわれる大腸菌・ウェルシュ菌等を駆逐します。

(2)甘味度
ラフィノースは甘味度は砂糖を100とした場合、20%強です。砂糖に極めて近い上品な甘味を有しています。

(3)難消化性(低カロリー)
ラフィノースは、胃や小腸で分解されませんので、エネルギーになりにくい糖です。

(4)安定性(天然のオリゴ糖)
ラフィノースは、他のオリゴ糖にみられる酵素を利用した製造法ではなく、ビート糖蜜から分離・精製して得られる純粋な天然の物質です。公的試験機関による急性毒性試験・変異原生試験の結果、安全であることが確認されています。

ラフィノースの特性
(1)吸湿性
ラフィノースは結晶オリゴ糖ですから、極めて吸湿しにくい特長を有しています。湿度90%で保存しても全く吸湿しません。
(2)加熱安定性
加熱安定性は砂糖とほぼ同等であり、140℃までは安定で、レトルト食品などに問題なく使用できます。180℃まで加熱すると、メリビオースとフラクトースに分解してきます。しかし、メリビオースは安定で大部分残存します。
(3)酸性条件下における熱安定性
pH3.5、90℃分間加熱でもほとんど分解せず、砂糖と同等またはそれ以上の安定性があります。pH3.5以上で加熱しますとメビリオースとフラクトースに分解しはじめますが、メビリオースは安定でそれ以上分解しません。

ラフィノースの効用
ラフィノースは整腸作用で厚生省の評価による「特定保健用食品の素材」として認可されておりますが、その他にも様々な効用が研究・発表されております。
ラフィノースの総合評価書概要

関与する成分 ラフィノース(固有番号 920102)
保険の用途 整腸作用
腸内菌叢改善
便通・便性の改善
腸内腐敗産物の抑制
有効摂取量 3g/日
最大無作用量 10g/日

平成5年3月18日 (財)日本健康・栄養食品協会

ラフィノースの効用・機能
1. 免疫賦活作用
 鴨居久一教授(日本歯科大学附属病院院長 : 医学博士・歯学博士)より「免疫細胞に対するオリゴ糖(ラフィノース)の影響」とした研究が発表されています。それによると、
 ビフィズス菌は宿主の免疫機構に影響を及ぼし、これを活性化する作用があるとされる。よって、ラフィノースを投与することによりビフィズス菌を増殖させ、二次的に免疫反応が高められることが考えられる。そこで、10名の被験者(男性2、女性8名・21〜27歳、平均年齢24.4歳)を無作為に2群、ラフィノース投与群とグルコース投与群に分け腸内細菌叢、リンパ球増殖反応、多形核白血球(PMN)の貪食能について検索を行った。
 その結果、ラフィノースを投与することにより腸内細菌叢におけるビフィズス菌の割合の上昇が認められ、それに伴い、リンパ球の増殖反応、及び貪食能が高まることが示された。このことから、ラフィノースを投与することにより、免疫細胞の機能が高まる可能性が示唆された。
 とされております。
(第16回日本歯科薬物療法学会、歯学第85巻第4号 平成10年3月1日発行別冊)

2. アトピー性皮膚炎改善効果
文苑(ふみぞの)松田皮膚科(北海道釧路市)の松田三千雄医師より「ラフィノースのアトピー性皮膚炎に与える影響」とする研究が発表されております。それによれば、
 腸内の常在真菌であるカンジダ菌を抑制することによるアトピー性皮膚炎の治療効果を目指すために、甘い物、果物、アルコール過多といったカンジダ増殖因子を除くべく患者に対してこれらの除去を指導した。その上で1〜2週間経っても改善効果が不十分な患者に対し、上記の食事の改善は継続した上で1〜2週間、最大6週間ラフィノースを投与、腸内菌叢改善を通じてのカンジダ抑制効果の可能性に期待し、経過をみた。
 投与量は大人における腸内細菌叢改善が期待出来る最小有効量、3.0g/日を基に

乳児1.0g/日
1歳1.0g/日
3歳2.0g/日
6歳3.0g/日
成人6.0g/日

とした。
 結果、対象50例(平均年齢4.2歳、0〜23歳男性23名・女性27名)中著効22例(44%)、有効16例(32%)、無効12例(24%)、憎悪0例(0%)。有効率(著効+有効)は38例(76%)であった。1例下痢が認められたものの投与量を軽減することで消失した。
 ラフィノース投与による治療はナイスタチンによる抗真菌療法に比べて効果はやや劣るが副作用は極めて少なく、より安全な治療と思われる。ラフィノースに抗真菌剤療法の効果がある理由は不明である。腸内菌叢改善を通じて間接的にカンジダ菌を抑制することも考え得るが、ラフィノースが直接カンジダ菌に作用する可能性も否定出来ない。
 と、しております。
(第35回日本小児アレルギー学会・食物アレルギー懇話会 : 1999年9月)
アレルギーの臨床 1998.18巻 12月臨時増刊号

 また、1999年10月18日から20日、広島市にて開催された「第49回日本アレルギー学会」において千葉クリニック(東京都江戸川区)千葉友幸医師らより「成人型アトピー性皮膚炎患者の腸内フローラに与えるラフィノースの影響」と題する研究が発表されました。これによれば、
 アトピー性皮膚炎に対して抗真菌療法が試みられているが患者の腸内フローラについての報告が見られないのでその検索、及び浄化を試みた。
 成人のアトピー性皮膚炎患者36名に対し4g/日のラフィノースを平均4ヶ月投与し前後の腸内細菌を調査したところ、概ね健常成人と同等のビフィズス菌割合を示していたがその内5名はかなりの低値を示した。しかし、ラフィノースの投与により菌数は平均3.2倍と有意に増加、また、カンジダ菌が高値であった2名も検出限界以下となった。これにより、ラフィノースはアトピー性皮膚炎患者の腸内フローラを改善すると共に一部、臨床症状も改善させ得る可能性が示唆された。
 と、しております。

3. 肝機能に対する効果
 千葉大学園芸学部の真田宏夫教授はオリゴ糖がビフィズス菌を増殖させて悪玉菌を減らすことにより、腸内で発生する毒素を抑制して肝臓の働きを改善するだけでなく、オリゴ糖そのものに肝臓の働きを改善する作用があるのではないかと考え、ラットにガラクトサミンを与えることでガラクトサミン肝障害(アミノ酸の一種)というヒトの劇症肝炎に似た症状を起こさせ、ビフィズス菌増殖効果のあるとされる数種のオリゴ糖及びガラクトース単糖などを投与した結果、
 ガラクトースを含んでいるラクチュロース、ラフィノース、ガラクトオリゴ糖、ガラクトース及びラクトースにガラクトサミン肝障害発症抑制効果が認められた。
 ビフィズス菌増殖効果を持つと報告されているオリゴ糖全てがガラクトサミン肝障害発症を抑制するとは限らない。また、ガラクトサミン肝障害発症抑制にはオリゴ糖中あるいは単糖としてのガラクトースが深く関与しており、難消化性のビフィズス菌増殖因子全てがこの効果を発揮するわけではないことも明らかとなった。
 としております。(平成7年5月第20回日本栄養食糧学会 日本栄養・食糧学会誌Vol.3)
 また、富山医科薬科大学第三内科渡辺明治教授より、肝硬変患者に見られる肝性脳症の治療に対するラフィノースによる治療の可能性を探った研究が発表されております。これによれば、
 肝性脳症の原因としては腸内細菌によって産生された毒性物質(蛋白分解生成物のアンモニア等)が障害肝で代謝・除去され難くまた、末梢血液中で増加して脳内に移行し神経毒性を発揮するからとされている。患者には蛋白摂取制限によりアンモニア生成の抑制を図る食事治療とラクチュロースやラクチトールといった難消化性二糖類の投与が行わている。
 三糖類であるラフィノースを摂取すると二糖類の利用菌と同じか、または異なる細菌種によって利用されて血中アンモニアが更に低下する可能性がある。また二糖類の副作用である下痢がラフィノースでは少ないといわれ、これを用いることでより望ましい治療を行うことのできる可能性がある。
 実際にアルコール性肝硬変に合併した慢性肝性脳症例(64歳)にラフィノース150g/日を投与したところ、ネオマイシン(抗生物質)投与と同様に症状の改善が見られた。
 高アンモニアのラットに2日間で1.8gのラフィノースを投与したところ、同量のラクチュロースより血中のアンモニア濃度の低下作用が優れていた。
 昏睡に至った肝性脳症患者(47歳)にラフィノース溶液(15%)1,000mlを1日3回に分けて直腸内に強制投与したところ意識の回復と共に血中アンモニア濃度の低下が観察された。以後、ラフィノースの継続経口投与により良好な経過を得た。
(平成9年5月第20回日本栄養アセスメント研究会、平成10年4月第35回日本肝臓学会総会)

4. その他の生理的効果・機能
 その他にもラフィノースは
(1) 牛の精液の冷凍貯蔵の安定剤の成分
(2) ヒトの臓器移植の輸送液の主要成分
(3) 乳児用粉ミルクに配合され、優れた緑便解消効果を発揮
など、その生理的効果が実用的、食品工業的に既に応用されています。

参考:日本甜菜製糖株式会社

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